Deep Space Rhymin' | 鴨川ホルモー

2010.04.27 Tuesday

鴨川ホルモー

今頃ですが、鴨川ホルモーを見ました。　ご存知、京都大学を舞台にした青春おふざけ映画です。　清水寺から始まる京都の映像。　葵祭から祇園祭へ。　京大キャンパスから出町柳、木屋町、恵比寿川ダム、疎水、茶山、百万遍寮ならぬ吉田近衛寮、出町駅、三角州、荒神口から八坂神社、寺町京極、先斗町から南禅寺ローマ橋、黒谷さん、残念ながら聖護院は無し。

京大付近、徒歩圏内の名所？迷所がたくさん出て来ました。

レナウン娘のCMソングと聞いて「にやり」とする方にも見ていただきたいですね。

栗山千明の熱演が光る、いや、彼女でもっていたともいえる映画でしたが、その内容は？　コネコにレビューした記事を転載します。　続きは、

鴨川ホルモーとは、いったいなんぞや？　もちろん今はやりのお安い焼き肉屋さんの店名ではありません。

ホルモーとは、千年の歴史を持つ神事の一種で、１チーム１０人がそれぞれ百体の式神を操り、敵対する相手チームの式神（映画内では鬼と呼称しています）を殲滅せんと戦う競技の事です。もちろん、式神は通常人には見えません。　代々伝承されるチームの構成員の任期は二年。　自分の任期が切れる前に後継者を立てる必要があります。　この引き継ぎ神事は、祇園祭宵山以降に行われますが、スカウティングは春先に行います。　京都の四方にある大学にホルモーを伝承する四チームがありますので、四月～五月の新入生歓迎コンパが、そのスカウティングの場所となります。北の京都産業大学、西の立命館大学、南に龍谷大学、そして映画の舞台となる東は京都大学です。五月の葵祭の終わりにスカウトされた新入生が、七月の祇園祭宵山の行事を経て、京都大学横の吉田神社でホルモーの神髄を知る儀式を経験します。　主人公がそれまでに胡散臭いホルモー部から抜け出そうと試みなかったのは、新歓コンパで知り合った女子部員に下心が芽生えていたからでした。そして、式神との信頼関係を構築することに成功した新入部員たちは、二年の任期の間は「オニ」と共に戦う事となります。

オニを操る為に覚えなくてはならないオニ語の基本は「ゲロンチョリ」それもおかしなポーズを伴いながら。戦うオニは体長約３０センチ。　大変素晴らしい造形です。　このオニ達のフィギュアが今現在街を歩く京大生や、京大を目指す受験生のストラップにぶら下がっていない事が、この映画の興行成績を表しているような気がします。京大に入学して、ホルモー部を探す人はいないでしょうが、良い造形のオニさんたちが、埋もれていくのは忍びないです。

映画は、安倍明（山田孝之）が、早良京子（芦名星）に一目惚れ。　もう一人の女子部員、楠木ふみ（栗山千明）との関係を伴いながら、切ない青春物語として進行します。ロケ地は、原作をふまえながらも、おそらくはロケを行いやすい場所を選んで行われたと思われます。そのロケ地は、私フェレンギの住処からほとんどが徒歩圏内。　電灯の付き具合や、草木の生い茂り方などからロケ時間まで推察できます。　それだけに思い入れがあるのですが、、。あまりにも風俗や時代考証が適当だと感じました。　新入生が新歓コンパで食費を浮かすのは今昔変わりの無いところですが、今時、五月病にかかっている京大生などほとんどいません。　浪人が当たり前でもなくなりました。それらが普通だった時代のお話なら、集合写真にデジカメは無いでしょう。　イタメシ屋のバイトもどうかな？車はＲＸ－８だったし。　いったい、いつのお話なんだ？また、ゲロンチョリと叫びながら奇怪なポーズをとる映画ですから、といっても、笑福亭鶴光の演技はいただけません。　「おふざけの映画でっしゃろ？」とか云いながら、ふざけているようにしか見えませんでした。おふざけ映画上等ですが、ふざけた映画でお金を取るのですから、しっかりと真面目にふざけて欲しかった。

その点、栗山千明は、キルビルでタランティーノにしっかりと仕込まれたのでしょうか、きちんとふざけてくれています。　彼女あってのホルモーだと感じました。　そうそう、石橋蓮司も、真面目にふざけてくれてました。あと、松永秀夫役渡部豪太も、良い感じの京大生っぽさを醸し出していました。京都観光の予習や復習にはなりませんが、かつての学生時代を京都で過ごされた方なら、懐かしい風景に心が和むかと思われます。　余談ですが、数ヶ月前に子供がそろって左腕を骨折し、特に長男は全身麻酔が必要な手術を受けなくてはなりませんでした。　仕事を終えてからの深夜、子の刻に吉田神社にお参りに。　人気のない境内ですが、映画の舞台にもなった吉田神社には鈴がありませんので、二拝二拍一拝だけを行います。　そして神楽殿の方に目を向けたところ、舞台の上に「人影」が。　あれは本当に人だったのでしょうか？　あまりの事に声も出ません。　思わず息を飲み込みました。　どちらからともなく目線をはずしましたが、ひょっとしてあちらも「怖かった」のかもしれません。京都では、信長の時代に延暦寺に都の情報を伝える役目を担った町衆の集まりが未だに存続していたり、お葬式に色無地を着る風習がある在所があったり。　大阪では大人気の太閤秀吉や、初代将軍・足利尊氏を疎んじたり。天皇と一緒に東に行った「とらや」の影が薄くなっていたり。　まだ天皇が京都にいらした時に、朝な夕なにお膳を運んだ菓子職人の名前が残る門が御所に残っていたり。　その職人の技は、まさに一子相伝で門外不出だったり。まさに、ホルモーも真っ青の世界が残っています。　そんな京都を舞台にするなら、もうちょっとがんばって欲しかったというのが偽らざる感想でした。

| movie | 22:32 | comments(4) | - |

京大周辺でチャリンコ乗ってる学生の3割くらいは可笑しいことがあるわけではないのにニヤニヤしてたり何かブツブツ呟いてたりします。おそらく彼らには「オニ」が見えているのでしょう。
シドニィバルタンといいチャダといい、あの頃は日本語で歌う外人がブームだったのでしょうか。

| ねずみ小僧 | 2010/04/28 11:02 PM |

私が子供の頃の京大生といえば、冬でも下駄や、夏でもお風呂に入らない。
いわゆる「イカキョー」だらけでした。　同志社生と京大生は、一目で見分けがついた時代です。
でも、最近はその敷居が曖昧になりました。
とはいえ、おっしゃるように三割くらいは、不思議な人達が居られますね。
偏見ですが、理学部は個性派揃いという印象です。
学部による傾向というのは感じますね。　とはいえ、流石にここには書けません。
うちの子供には、きっとオニは見えていないと思います。

ところで、レナウン娘を歌っていたのは「外人娘」でしたっけ？
歌は完全に覚えており、映画にあわせて私も妻も歌いました。
それを見ていた次男は怯えていました。　でも、歌声自体は覚えていません。　ユーチューブで探そうかな。

| rhymin' master | 2010/04/28 11:52 PM |

シルビーの間違いでしたね、失礼しました。
しかし本当にイカキョーは絶滅危惧種です。京大女子といえば僕らの頃は岩石イワ子がゴロゴロいてたものですが最近は可愛い子多いです。時代は変わりましたねえ。

| ねずみ小僧 | 2010/04/29 3:48 PM |

いやいや、ねずみさんのお陰で、もやもやしたままだったレナウンガールの歌手が、整形前の弘田美枝子だったことを調べる切っ掛けができました。ありがとうございました。　それにしてもいろんなバージョンがあったのですね。
どれが自分に取って一番しっくりくるのかを調べると、おおよその年齢が知れますね。
イカキョーどころか、腰パンの京大生も珍しく無い昨今でございます。

| rhymin' master | 2010/04/29 10:21 PM |

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