2016.08.03 Wednesday
シンゴジラのシンは 芯 それはコア=核を意味する と思うよ
話題の「シンゴジラ」を観てきました。
平日のレイトショーにも関わらず、3割程度の席が埋まっている状態。
普段のMOVIX京都では2~3割程度の外国人観客を確認するのですが
日本語(英語字幕なし)のシンゴジラは敷居が高いようで、
ちょっと不満そうな白人男性を1人確認しただけ。
よほど日本語に慣れていないと内容が理解できないと思います。
そもそもシンゴジラでは、閣僚と政治家、政治家と自衛隊幹部とのやり取りが
物語の殆どを占めており、全ての閣僚はとても早口です。
HDDレコーダーを1.5倍早送り再生していいる位の速度。
同胞の方々でも一部の方には辛い展開かもしれません。
字幕で出演者の役職等が表示されるので、そちらにも注意を払う必要があります。
庵野秀明監督の台本が分厚い というのも理由になるかもしれません。
着ぐるみを用いる怪獣映画は日本の伝統芸能にひとつに数えても良いと考えますが
今回のシンゴジラは、日本製作のゴジラシリーズとして初のCGが使われています。
どうなんだろう? と 期待半分で眺めていましたが、
シンゴジラは着ぐるみでは表現できない設定で描かれておりました。
CGが正しく利用されていると感じました。
モーションキャプチャー技術は、人間の動きを元に架空の生物を動かしますが
演者さんは、なんと野村萬斎氏でした。
キグルミを廃しても、ここで日本の伝統芸能が継承されていたとは!
エキストラを除いても328人という膨大な数の演者さんが画面に登場しますが、
主役級の方々以外で印象に残ったのはピエール瀧さん。
特に刀折れ矢尽きる状態での一言に痺れました。
日本でイチバン悪い奴らでの瀧さんは怖い上司ですが、シンゴジラの瀧さんなら
上司にしたいランキング上位間違い無しですわ。
さて、これから
映画を楽しまれる方のためにネタバレは書きたくありませんが、
どうしても書き留めておきたいことがあります。
シンゴジラのシンはなに?
新しい新、真実の真、神を意味する神、人を信じる信、色々な解釈があるでしょう。
私が思うシンゴジラのシンは、芯でした。
芯は英語でコアでしょ。 コアといったら核です。
まさにシンゴジラは核の映画。 それも特に福島の核。
シンゴジラが意味する災害に対処する内閣府の内部を描く形で進む映画ですが、
シンゴジラは福島を意味していると思うんです。
そうでなければ、物語の最後で利用される「武器」が「アレ」のはずはありません。
あの部分のご都合主義は、福島を描くのなら許されると思うんです。
シンゴジラはお役人の有り様を描く映画。 全てのお役人に見ていただきたい。
政治家に必要なのは 的確な判断を素早く下すことだと再確認しました。
学者さんとの対比が面白かった。
お役人に必要なのは 人脈と交渉力と体力だと再確認しました。
これまでのベストゴジラ映画は2002年の「怪獣総攻撃」だったですが。それを上回る
多くの人に見ていただきたい良い映画にめぐり逢いました。
シンゴジラ
書き忘れたことがありました。 この映画にひとつだけ注文をするとしたら、数万の人が亡くなっているのに映画から死の匂いが漂わないことです。 あの福島の事故から5年と少ししか経過していないので無理もないのですが、人の死をより深く描けば、それがPG指定に繋がったとしても、より映画に深みが出たのでは? と感じてます。