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2006.04.29 Saturday
the inner light 「超時空惑星カターン」
ピカード艦 新スター・トレック TV傑作選 ピカード艦長ボックス 第166話「姿なき誘拐犯」第167話「大いなるホリデイ」第202話「謎のタマリアン人」第225話「超時空惑星カターン」第244話「謎の侵入者」他、全7話を収録。
ジョージ・ハリソンが「the inner light」という曲を残しています。 残念ながら聴いたことはありません。 インターネット社会を予見した内容で、「居ながらにして、世界の何処へでも行ける、世界の誰とでも話せる」と、歌われているそうです。 おそらく、その曲を知る脚本家が題名を付けたと思われるのがTNG 5th season #125 the inner LIGHT 邦題「超時空惑星カターン」です。 先週、書きました「ハッピー・アクシデント」。 これも大概な邦題だと思いましたが、原題も「Happy Accident」でした。 物語の展開を考えてみると、ハッピーアクシデントとして、後半の展開を読めないようにしておくのは賢明だと考え直しました。
そこへいくと、「超時空惑星カターン」はトホホです。 １話完結物として秀逸の出来でして、ピカード艦長ことＰ・スチュワートの演技力も素晴らしい物でした。 1993年度のヒューゴー賞受賞作品でもありまして、ライミンでも、一押しです。 上にご紹介のＤＶＤにも、もちろん選ばれています。 さて、その内容は、、
更新済みです。艦長の笛が聴けるサイトを発見。
パベニアン星系を探査中のエンタープライズは謎の衛星を発見する。 スキャンしようとするも逆に衛星から未知の光線を浴び、ブリッジのピカード艦長は意識を失う。 クラッシャー医師の見解では光線と艦長の体調とは因果関係が認められるため、この状態を維持すべきである。
この光線こそがインナーライトであり、これより艦長は約２５分間意識を失うこととなり、その間に50年を生きることとなるわけです。目覚めた艦長は見知らぬ星に居る自分を確認、すぐさま異星人の謀略と考え、脱出を試みるも徒労に終わる。 かの星で、ピカードはケイミンと呼ばれる笛の名手であり、また鍛冶屋であるらしい。 目覚めて以来、数年が経ち全く違う人生を受け入れることを決めたケイミンは、ずっと自分を見守り続けてくれている妻との間に子供をもうけ、艦隊で身につけた知識をもとに、惑星カターンの為に奔走するようになる。 カターンは恒星のフレアの影響で破滅の道を歩んでいたのだ。やがて年老き、自分の力が及ばず、この星の孫達に未来が無いことを考え、失意の中、寝込むようになってしまったケイミン。 ある日、花火が打ち上がる音が聞こえる。 最後が近い惑星で、今日はお祭りがあるという。 そんな祭りなど知らない。 外へ出るなら、ワシが開発した紫外線防御ジェルを忘れるな、孫達。 一緒に、見に行きましょう。 一体何を？ 家族に促され、外にでるケイミンを待っていたのは、死んだはずの友人を始めとしたカターンの人々。 面食らうケイミンに彼等が語りかけます。 「ありがとう。」と。 今から打ち上げるロケットに、この惑星の人間を乗せる技術はありません。 しかし、我々の記憶を乗せて、未だ見ぬ知的生命体にその歴史を、思いを託す事は出来る。 今日は我々の記憶を乗せたロケットを打ち上げる日なんだ。
そのロケットに載せる衛星を、貴方は既に見ているはずですよ。 と。真っ青な空に白煙を残して飛翔するロケット、、。ほどなくブリッジ内で目を覚ますピカード。 25分の間に50年を生きたピカード。 自室で休む艦長を副長ライカーが尋ねます。 衛星内にあった装置の事を説明し、そして箱に収められていた（後にカターンの笛と呼ばれることとなる）縦笛を手渡し、部屋を後にします。 実際、この笛をこの手にするのは初めて。 しかし、笛を手に取った艦長は旧来の愛器を手にしたように、素晴らしくも悲しいメロディを奏でます。 その音色はエンタープライズのスラスターエンジンの轟音と共に漆黒の宇宙空間に吸い込まれていきました。 このラストシーンが何とも言えず良い。 いつものラストに使われている映像となんら変わらないのに、ケイミンの笛の響きがいつまでも心に残ります。 エンジン音を被せているのも秀逸です。と、浜村純に怒られそうになるほど全編、語ってしまいました。 ここまで知っていてから見ても、充分楽しめます。
ＳＦの域を超えた本当の名作。 トカゲ顔も光線銃も出てこないのでＳＦ嫌いの人でも問題無し。 実質45分のお話でここまでまとめ上げる技術にも脱帽です。因みに 劇中ケイミンの息子を演じるのはパトリックの実の息子です。 やはり、禿げ上がっていました。 その後、彼を
目にすることはありません。 立派な父親を持ち、同じ道を歩むのは大変なんでしょうね。
