2006.06.01 Thursday
からくりサーカス 閉幕
週刊少年サンデーにおいて、9年の長きにわたって連載が続いた「からくりサーカス・藤田和日朗著」が閉幕しました。 以前、同誌上で「うしおととら」を執筆されていた藤田氏です。 どちらかの作品を読まれたことがあるでしょうか? どちらも、少年の成長を暖かく見守るお話です。 もちろん、ファンタジーの類のお話ですので、現実とはかけ離れた世界観で描かれていますが。誰かの血を引くからというだけで素晴らしい能力があるとか、持って生まれた天性だけで戦えるとか、その様な要素は物語の中心には流れていません。 もちろん、お話の都合で宿命や、運命から出会ったり、戦ったり、別れたり、信じ合ったり、裏切ったりはしますが。藤田氏の年齢や、出自は存じませんが、「うしおととら」の成功で、今回の「からくりサーカス」における、大きな展開を許されるようになったのでは?と、推測しています。 工業製品しかり、映画、音楽、テレビ、漫画、多くの消費財は、綿密なマーケティングのもと、すぐに売れる、受け入れられる事を命題に生産されているように感じます。 同じような車。 同じようなテーマの映画。 聞いたことのある様な音楽。 銘板を見るまで何処の会社の製品か判断できない工業製品。 漫画も、「つかみ」を重視したものが目立ちます。 最初の3週間以内にアンケート結果が思わしく無ければ、即、打ち切りなんでしょうか? 新人さんは辛いですね。その点、この作品は、時にはゆっくりした展開で進み、時には急流くだり。 お話の年代も中世へ、現代へ。 舞台も、中国へ、欧州へ、日本へ、米国へと回り舞台の様に変わりました。 連載当初、雑誌の目次内、作者からのコメントで、「おもしろかったか?」と、幾度も尋ねておられた事を覚えています。 心配無用と、答えていました、いつも、私は。ところで、最近買ったCDで感じたんですが、、
ユーミンの新譜を買いました。 お布施の様な物で、聞かずに買いました。 悪くはないけど、昔の輝きは無いかも。 でも、宣伝のポスターを見てびっくり。 20代そこそこに写っています。 デジタル恐るべし。 とはいえ、実物も普段の節制、努力を彷彿とさせる外見と、体力を誇っておられます。 このアルバムを聴いて感じるのは、やはり、マーケティングです。 時代が何を求めているかを考え、そこにご自分の音楽を当て嵌める努力を感じます。 失敗しているとは思いませんが、世の中全体を見た時、その線で見比べた時、競争力は感じられません。
60歳までに名盤を作るというプランがあるそうですので、期待を込めて見守ります。 先日ご紹介した、ポールサイモンのサプライズですが、この作品が日本で大量に売れるとは思えません。 が、これは、「からくりさーかす 」と同じで、作者が自分の作りたい物を作った感のある作品です。 共感できれば、名作、名盤となります。 アルバム全体の感想を書きたいのですが、もっと、もっと、じっくり聴いてからにします。 作品を通じて、お金を戴く事になるので、消費者に迎合すること全般を否定することはナンセンスだと思います。
しかし、作りたい物を作れるようになるまで、努力して、その地位を得た人は、自由に作った物で勝負してみて下さい。 もちろん、徹底的に消費のニーズを読むのも楽しいのかもしれませんね。 色々選べる私たちは幸せって事でしょうか?