2006.10.20 Friday
最後の審判 陶板名画の庭

その占いが終わり、彼は確信します。 日本人には宗教観が無いと。 神を信じない者こそが恐ろしいと。 その日本人である、主人公入谷を恐れます。詳しい内容は覚えていませんが、そんなところです。 入谷が信じるのは、自分自身か?科学か? 何にしろ、神の教えに縛られる事は無いのでしょう。 本来、システィーナ礼拝堂の天井画として描かれた最後の審判。 その地を訪れた事はありませんので、あくまで想像ですが、目線の前には地獄が描かれているのでしょう。 はるか上にキリストや天上界が描かれているのでしょう。 しかし、名画の庭では、この作品を上方からも中央からも下方からも眺める事が出来ます。 また、自然光が当たりますので、室内で見るそれとは大きく異なりそうです。 そんな状況で眺めると、。 死者を笛で追い払う天使は筋肉隆々で、なんだか安物の岡っ引きのようです。 地獄にも慈悲深そうな人が見受けられます。 画面左側の天上界に召される人達の人相が良くて、右側に居る地獄に堕ちていく人達の人相が悪いと、決めつける事は出来ません。 キリストとマリアの上に居る天上人達の表情はどうでしょう? その辺りの政治家と変わらない様に見えます。 俺が私がと争っているようにも見えます。しかし、当時、礼拝堂でこのフレスコ画を眺めた人達はどう感じたのでしょうか? 私には想像できません。 信仰心の無い者達が
こうして眺める事は想定されていなかったでしょうね。 しかし、仕事としてこの画を描いていたミケランジェロ。 命令を受けて描いていたミケランジェロ。 裸が多いとダメだしを受けたミケランジェロ。 恐らくは教会の内部を知っていたミケランジェロ。 彼の心中にある信仰心は如何に? 現在の私たち(日本人)と同じようなモノだったのではないか?と感じました。
少なくとも、この陶板画を見ては。イリヤッドも、いよいよ佳境に入ります。 2週間が待ち遠しいです。