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2007.02.24 Saturday

紙のクルマ

author : rhymin' master

1,000mg.は1グラム。ファイト～一発！リポビダンＤに含まれるタウリンは１グラムですが、1,000ミリグラムといって、すんごくたくさん入っているように見せているわけです。　その筋やらなんやらで働いている方々の工夫で、その表現を採用したわけですね。　昨日も書きましたが、％等を扱う広告文句を見るときには母数や絶対値を知る必要があります。

車の広告世界で以前よく使われた表現で、捻り剛性80％アップ、曲げ剛性50％アップというものがありました。　モデルチェンジの度に倍・倍のアップが知らされました。　２世代前の車は紙の車だったのか？と思うほど剛性アップが謳われました。

これは正真正銘の紙製（繊維強化樹脂）の車、東独製トラバントです。

1990年代、車好きの人々は、猫もしゃくしもボディ剛性と言っていました。　確かに80年代のシビックと現在のシビックを比べると、乗り心地はもとよりドアの開閉音、床に伝わる振動など変化が感じられます。　しかし、２倍にも３倍にもなっているという実感はありませんね。

思えば、ここ20年でシビックの車重は900キロから1300キロへ増加。　タイヤも13インチから16インチへと大経化。　出力も1.5～2倍。　中学生が大学生になったようなものです。　中学生アスリートが持つ筋肉や骨格が大学生のそれと異なるのは当然です。　しかし、中学生も120キロの速球を投げ、スタンドにボールを運べます。　世界記録で50メートルを泳ぐこともあります。　小型軽量車が必要とする剛性値と、大型高出力車が必要とする剛性値が異なるという知識（？）を提供せずに、闇雲に剛性・剛性と謳うのは良くないと思います。

無知な私たちは、当時、ボディ剛性とドアの立て付けとを誤解していた節もあります。工業製品を購入するときに、カタログスペックを参考にするのは大事なことかもしれませんが、正しく理解する基礎知識を持つことが前提です。　しかし、私たちにきちんとそれが備わっているのか？　　改めて考えた方が良いですね。　賢いつもり、解ったつもりの人が一番だまされやすいのかもしれませんね。

| 車 | 01:19 | comments(0) | - |

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