2ヶ月強の間に4度のCTスキャンと1度のMRI画像診断を受けました。
ここで簡単にCTとMRIについて書き留めます。
CTとは、Computed Tomography(コンピュータ断層撮影)の略。
X線の発生装置と検出器が組み込まれたトンネルの中を、検査台に乗った患者が移動し、躰の様々な部分の断層写真撮影が行われます。
当然、患者は被曝しますが、骨や、組織の石灰化がよく判るようです。
主な用途として、・クモ膜下出血・救急、重症患者・骨病変・石灰化を示す病変・高い空間分解能が必要な病変・外傷性頭蓋内血腫、脳内出血が上げられ、私が最初にCTを受けたのも納得できます。
対してMRI画像診断は、Magnetic Resonance Imaging(磁気共鳴イメージング)の略。
患者の体内にある水素原子核を強力な磁気の力で一定方向に揃え、そこにごく弱い電波を当てると、水素原子核は共鳴現象をおこしてエネルギーを吸収します。 次に電波を切ると、水素原子核はMRI信号を発信します。 その信号をMRI機器内のアンテナで受信し、PCによる再構築を行い画像として纏める装置のこと。
CTに比べると、まず被曝がありません。 そして任意の方向の断層写真が得られます。 写真のコントラストが高く、骨による影響がない為、頭蓋底等の診断に優れている。
用途として、・下垂体腫瘍、聴神経腫瘍などの脳腫瘍・白質の変性疾患・脳梗塞・硬膜、髄膜病変・脊髄病変が上げられます。
私が頭部打撲を負い数日後に酷いめまいを訴えた後に、MRI診断を受けたのも、やはり納得できますね。
受診する患者にとって、被曝のあるなしも大きなファクターですが、それより、検査時間の長短の方が問題になる場合もあると思われます。
CTスキャンは、ものの数分で済みますが、MRI画像診断は20〜40分程度かかります。
特に頭部診断時は、腹部のそれと違い、検査台に頭を入れる形で附します。 特にMRI画像診断時には検査機(スリーブ)内壁と顔面がとても近く圧迫感があります。
腹部診断の時にはヘッドフォンから音楽が流れますが、頭部診断時に装着するヘッドフォンから音楽は流れません。
機器が作動すると、頭の真横で芸人の「はなわ」がエレキベースの開放弦を連続してかき鳴らす様な音がします。 それが一定時間続き止むと、今度はキカイジカケのコメツキバッタがスッコンスッコンと静かに歌います。 そして違う弦をかき鳴らし始めるはなわ。 そしてコメツキバッタ。
また違う弦をかき鳴らすはなわ。
私は検査の様子を皆さんにお伝えしようと考えながら寝ていましたので、怖れも不安も感じませんでしたが、閉所恐怖症・束縛恐怖症・音に敏感な方には耐えられないかもしれません。
ちょっと困ったのは、室内の空調が作動し部屋の空気の流れが変化した事を鼻腔が感じた時のことです。 花粉症が酷い時期ならくしゃみを我慢出来なかったと思います。
他に一般的な問題点として、MRI診断機は高い磁気を発生しますので、金属類の持ち込みは厳禁。 これにより心臓ペースメーカー装着者は検査不可となります。
目眩が脳に起因しないことを診断して頂けただけでなく、そのうち健康診断の機会を利用して脳ドッグを受診しなければと考えておりましたので、今回のMRI画像診断は役に立ちました。
表題の「CTスキャンとMRI画像診断 ワルツ・フォー・デビーとホンコン」。
ワルツ・フォー・デビーは、ビル・エヴァンスの名盤のそれです。
では、ホンコンは?
いや、それよりMRIやCTとどんな関係があるのか? 与太話ですが、ご興味がお有りの方は、続きをどうぞ、、。